保護者になったつもりで、ChatGPT・Gemini・Claudeに「吉祥寺のプログラミング教室のおすすめ」を合計90回たずね、 返ってきた答えをすべて記録しました。これは、その観測ノートと、そこから導いた2026年8月の実行計画です。
▲ 90セッションの観測結果。黄色 = 3rdschoolの名前が出た回(23回/90セッション・26%)。灰色 = 出なかった回(67回)。配置はイメージです。
先に結論だけ言うと——AIが3rdschoolを推薦したのは4回に1回(23回/90セッション)。 ただし、AIがGoogleマップのデータを参照した回は10戦10勝、 Web記事を検索した回は0勝13敗でした。勝ち負けは実力ではなく「AIがどの棚を見たか」で決まっています。 このノートは、その証拠と対策を1ページずつ記録していきます。
この取り組みはAEO(Answer Engine Optimization:ChatGPTのような「答えを返すAI」に、自社が引用・推薦される状態を作る施策。LLMO・GEOもほぼ同義です)の第一歩です。AEOはまず計測から始まります。理由は3つあります。
日本のユーザーの37%がすでに生成AIで検索を行い、20代では50%超に達しています[1]。地域のお店・教室探しに限っても、AI(ChatGPT等)を使う消費者は海外調査で1年間に6%→45%へ急増しました[2]。一方、AIの要約が検索結果に表示されると、検索1位のサイトでさえクリックが34.5%減ることが30万キーワードの調査で確認されています[3]。
調査会社Ahrefsの自社データでは、流入のわずか0.5%にすぎないAI経由の訪問者が、新規登録の12.1%を生みました。成約率にして約23倍です[4]。AIに推薦されて来る人は「すでに絞り込んだ上で来る人」だからです。体験申込みを重視する教室業にとって、相性の良い経路といえます。
AI可視性の計測ツール大手Profoundは2026年2月、評価額10億ドル(ユニコーン)でシリーズC 9,600万ドルを調達し[5]、Fortune 500企業の1割が顧客です[6]。国内でも電通デジタルがGEO/LLMOの専門サービスを提供し[7]、サイバーエージェントは2026年6月にAI検索マーケティングの専門組織を新設しました[1]。大企業だけの話ではなく、後述の通り吉祥寺の同業教室がすでにこの領域で成果を出しています(セクション08)。
AIの回答は同じ質問でも毎回変わります(確率的に生成されるためです)。Googleの検索順位のような固定の「順位」は存在しません。そこで本実験は次のルールを置きました。
※ 仮説を持たずに測ると解釈が後付けになるので、先に問いを固定してから観測を始めました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 期間 | 2026年7月24日〜7月29日 |
| 対象AI(3つ) | ChatGPT(無料版・標準モデル)/Gemini(Gemini 3.6 Flash・無料版)/Claude(Claude Sonnet 5・無料版) |
| 統制条件 | すべて新規チャットで実施(過去の履歴の影響を受けない状態) |
| 試行数 | 同じ質問を各AIに3回ずつ(回答が毎回変わるため、1回では測れない) |
| 規模 | 質問10問 × 3AI × 3試行 = 累積90セッション |
| 記録項目 | 3rdschoolの登場有無/順位(n位/m校中)/登場した全ブランド/3rdschoolがどう説明されたか(原文)/競合がどう説明されたか/AIが引用・表示した情報源/回答形式(Web検索・地図検索・内部知識) |
実在しそうな保護者を11通り想定しました。質問1〜4は「学年 × エリア」の基本形、質問5・6は学年指定なしの一般形(語形を2種類)、質問7〜10は興味・テーマの切り口(ロボット/Scratch/マイクラ/AI)でどのテーマと結びついているかの検証、質問11は「教室名を聞く前」の検討段階で名前が挙がるかを見る動機ベースの質問です。
※ 質問文は保護者の言い方をそのまま残しています(「子供」「マイクラ」など表記ゆれも意図的)。
※「シェア・オブ・ボイス(SoV)」= AI回答に登場した全ブランド言及のうち自社が占めた割合。用語は付録の用語集にまとめています。
| AI | 登場 | 言及シェア | ひとこと総括 解釈 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 3/30回 | 1.9%(3/156言及) | 最も弱い。武蔵野市×中学生の質問でのみ1位2回 |
| Gemini | 10/30回 | 7.5%(10/134言及) | 3rdschool像を最も深く正確に知っている |
| Claude | 10/30回 | 7.5%(10/133言及) | Googleマップ検索が走った時だけ圧勝(筆頭9回) |
解釈勝ち枠は「武蔵野市」(質問2・4)、「吉祥寺×学年指定なし」(質問5・6)、「テーマ=ロボット・Scratch」(質問7・8)。負け枠は「吉祥寺×学年指定」(質問1・3)と「コンテンツ語=マイクラ・AI」(質問9・10)です。同じ教室でも、質問の一語が変わるだけで出たり消えたりする——この理由を次のセクションで突き止めます。
▲ 事実Claudeの30セッションのうち、検索の実行が観測された回の集計。プレイス検索(Googleマップ参照)が走った10回はすべて3rdschoolが登場(筆頭9回・2位1回)。Web検索が走った13回は一度も登場せず、表示された検索結果89件の中に公式サイト3rdsch.jpは一度も含まれませんでした。
| No. | 観測記録 事実 |
|---|---|
| F-1 | Claudeでプレイス検索が走った回は10戦10勝(筆頭9回・2位1回)。Web検索が走った回は0勝13敗。 |
| F-2 | ClaudeのWeb検索結果は通算13セッション・計89件表示されたが、3rdsch.jpは一度も含まれなかった。 |
| F-3 | プレイス検索での勝因はGoogleビジネスプロフィール(GBP):評価5.0 × レビュー16件。吉祥寺圏の子ども向けプログラミング教室でレビュー件数は圧倒的1位。 |
| F-4 | テキスト検索で1〜2位常連のLITALICOワンダー(GBP評価3.8・否定的レビューあり)は、プレイス検索が走った回では簡素な紹介に格下げされた。 |
| F-5 | GBPレビュー内の「Scratchコース受講中」という一文を、ClaudeがScratchの質問(質問8)への適合根拠として直接引用し、筆頭で推薦。同じ回で「HP: https://3rdsch.jp/」の公式サイトリンクも表示された(GBPのウェブサイト欄由来)。 |
| F-6 | ChatGPTで3rdschoolが出た3回のうち1位の2回は、3rdsch.jp自体がChatGPTの検索にヒットした回(武蔵野市の質問。公式サイトが「武蔵野市」の語に強いため)。マップカード型の表示では吉祥寺で一度も出ていない。 |
| F-7 | Geminiは出典を表示しない回が多く、内部知識ベース。3rdschool像は最も正確だった(生徒3人に講師1人の個別指導/学校現場支援/Scratch・WeDo/マリオンワンビル地下1階/対象小学生〜高校生/「サードプレイス型の学習教室」という理解まで到達)。 |
| F-8 | 質問9(マイクラ)・質問10(AI)ではClaudeのプレイス検索が一度も走らず、すべてWeb検索だった。 |
勝敗はエリアでもテーマでもなく「AIがどの情報経路を引くか」で決まっています。3rdschoolはGoogleマップ経路では無敵、Web記事経路では存在しません。
経路の分岐則はこう読めます:「場所×施設」型の質問(〜教室を教えて)→ 地図検索が走りやすい = 勝てる。「マイクラ」「AI」などコンテンツ・概念語入りの質問 → Web記事が厚いためWeb検索が優先 = 負ける。
そしてWeb経路で負ける原因は「順位が低い」ではなく「掲載自体がない」こと。AIが読む比較記事・ポータル群(コエテコ等)に3rdschoolが載っていないのです(詳細はセクション09)。
AIの回答に登場した3rdschoolの説明文を、標本のように原文で採取しました。
⚠小学生対象が抜け落ちている。低学年の親への推薦から外れる恐れ。
⚠出所不明の描写。
⚠公式表現ではない。受け取られ方が不安定。
⚠出所不明。
⚠出所不明。
| 空白 | 検証結果 事実 |
|---|---|
| マイクラ | 質問9で9セッション中0回。完全不在 |
| AI学習・「AI×プログラミング博士になろう!」後援実績 | 質問10を含め、全90セッションで言及0回 |
| 料金 | 全期間で言及0回(競合のスタープログラミングスクールは月額15,400円が引用された例あり) |
| 不登校・居場所 | 質問未実施のため未検証(今後の計測候補) |
事実計測中、AIは競合の固有名詞も間違えました(5例観測):教室名の誤記2件/実在しない校名の生成1件(他社のレビュー・評価データが実在しない校名に紐づけて紹介された)/系列関係の誤結合2件。正しい一次情報をWeb上に置くことが自衛になります——これが誤描写を監視し、公式情報を整備する根拠です。
| 質問テーマ | 王者 | 勝因(観測された事実) |
|---|---|---|
| ロボット(質問7) | 栄光ロボットアカデミー 9/9セッション | ロボット特化の校名・コース体系。コエテコのロボット枠ランキングが引用される |
| Scratch(質問8) | スタープログラミングスクール 9/9セッション | 自社ブログのScratchコース紹介記事がChatGPTに3回連続引用 |
| マイクラ(質問9) | IT KiDS(ChatGPT・Geminiで全試行1位) | 「マイクラッチJr./マイクラッチ」という専用コース名 |
| AI(質問10) | ロジカルAIスクール 9/9セッション・全試行筆頭 | 下記の「4点セット」 |
カテゴリ語が変わると「棚」の王者は総入れ替えします(ロボット→栄光が9/9・スターは消滅/Scratch→スターが復権/マイクラ→専用コース名を持つ校だけ/AI→ロジカルAIスクール独占)。つまり新しいカテゴリの棚は先行者が総取りできるということです。
開校1年前後の新しい教室が、AIの質問枠9セッションすべてで筆頭を独占しました。要因は4つ観測できました。
| No. | 観測記録 事実 |
|---|---|
| E-1 | ロジカルAIスクールの自社比較記事が、マイクラの質問(質問9)でClaudeの検索にヒットし、自社が推薦枠入り。LITALICOワンダーの紹介文の出典までこの記事だった。 |
| E-2 | 同校はAIの質問(質問10)で9戦全勝。Claudeの検索6件中3件が自社発(自社サイト+自社記事+PR TIMESリリース)。 |
| E-3 | スタープログラミングスクールの自社ブログ(Scratchコース紹介)がChatGPTに3回連続引用され、Scratch枠9/9。「AI時代」と題したブログ記事もAIの質問で引用され続けた。 |
| E-4 | 対照実験のような結果:3rdschoolは引用されうる自社記事がゼロ → ClaudeのWeb検索13セッション・89件に一度も登場せず。条件差は「引用されうる記事の有無」だけ。 |
実はロジカルAIスクールの比較記事には3rdschoolも載っています。しかしAIが引用したのはロジカルAIスクールとLITALICOワンダーの部分のみでした。記事内での扱われ方(見出し・推薦の文脈)まで影響します。自社記事なら、その扱われ方を自分で設計できます。
| サイト | AI回答・検索結果への登場 | 3rdschoolの掲載状況 |
|---|---|---|
| コエテコ(coeteco.jp) | 21セッション(90中)。全AI・全カテゴリ(通常/ロボット/マイクラ/AI)で登場する唯一の常連 | 未掲載(武蔵野市一覧16教室にも不在) |
| コドモブースター | 4セッション | 武蔵野市6位に掲載済み。ただしAIの引用は上位5校で切られ圏外 |
| 理ナビ | 2セッション(ChatGPTが引用) | 掲載ページあり(強化余地) |
| その他(techgym記事4・個人ブログ「ロボえもん」4・kichifan 3・キッズスクール2・robot-school.info 2・プロリア1・子どもスクールナビ1) | 個人ブログですら繰り返し引用される = 参入障壁は低い | いずれも未掲載 |
事実ChatGPTの出典としての引用は、スタープログラミングスクール22回・プログラボ22回・IT KiDS 20回が最多クラス。特徴は、「Scratchコース紹介」「AI時代」など質問の型と一致する個別記事を持つ教室が、その質問枠で引用されることです。対して3rdsch.jpの引用は全90セッションで3回のみでした。
掲載の窓口(調査済みの事実): コエテコ = 運営者向け問い合わせ→契約→掲載。有料で定額プランと成果連動プランの2種[10]/コドモブースター = 有料(無料掲載は不可と明記)[11]/プロリア = 掲載希望フォームあり(料金の明記なし・要問合せ)[12]。
| No. | 考察 解釈 | 根拠の記録 |
|---|---|---|
| D-1 | 勝敗は「AIがどの情報経路を引くか」で決まる。3rdschoolはGoogleマップ経路では無敵、Web記事経路では存在しない。 | F-1・F-2 |
| D-2 | 経路には分岐則がある。「場所×施設」型の質問は地図検索が走りやすく勝てる。「マイクラ」「AI」などコンテンツ・概念語入りの質問はWeb検索が優先され負ける。 | F-1・F-8 |
| D-3 | Web経路の敗因は順位ではなく「掲載自体がない」こと。AIが読む比較記事・ポータル群に3rdschoolが載っていない。 | F-2・層1の表 |
| D-4 | GBPレビューの語彙は、そのまま質問への適合性になる。「Scratchコース受講中」の一文が筆頭推薦の根拠になった。レビューに学年・コース名・ツール名が入る設計が効く。 | F-5 |
| D-5 | カテゴリ語で「棚」は総入れ替えする。新カテゴリの棚は先行者が総取りできる。ロジカルAIスクールがその実例。 | E-1〜E-4 |
※ この5つの読みが、次のセクションの施策①〜⑥にそのまま変換されます。
この6分類は、海外の定石(世界最大級のSEOツール会社Ahrefsの公式AEOカリキュラム等)と整合する分け方です[13]。
| 実践者 | 施策と成果 |
|---|---|
| HubSpot(米・自社実践) | サイト内FAQ・質問形見出し+パブリッシャー提携+コミュニティの3本柱で、AI経由の有望リード1,850%増。AEO経由リードの成約率は他チャネルの3倍[14] |
| Apollo.io(米) | ブランド認知プロンプトでの引用率63%を達成[15] |
| Intercore Technologies(米・地域の法律事務所 = ローカルビジネスの例) | ページを質問回答型に再構成しFAQ拡充 → AI可視性68%・AI推薦経由の新規クライアント156件[15] |
| Ramp/MongoDB(米) | AI可視性7倍/50%増(計測ツールProfoundの顧客事例)[16] |
| Speee(日本・東証上場) | 自社実践で約100パターンのプロンプト計測→改善のサイクルを回し、Gemini上の「第1位推奨率」を競合内トップに[17] |
| ロジカルAIスクール(吉祥寺・本計測で観測) | 自社比較記事+PR TIMES+コエテコ+カテゴリ名の4点セットで、AIの質問枠9戦全勝(セクション08)。吉祥寺の同業がすでにAEOで勝っている |
・構造化データ(スキーマ)タグの網羅実装 — 1,885ページの実験でAI引用への効果は確認されませんでした[18]。
・llms.txt等の新技術ファイル・ページ速度改善 — 1万事業者の調査で相関が弱いと報告されています[19]。
・文字数を増やすだけの長文記事 — 引用されるのは「質問と型が一致する記事」であって長い記事ではありません(本計測のスター・ロジカルAIスクールの実例と整合)。
→ 浮いた工数を、下の①〜⑥に集中投資します。
解釈並び順は投資判断とレビュー用の優先度です。8月は全施策を並行で着手します。
| 週 | 期間 | 実行内容 |
|---|---|---|
| 第1週 | 8/1〜8/8 | ① GBP: レビュー依頼オペレーション開始(依頼カード・声かけ台本作成)/② コエテコ掲載申請・コドモブースター/理ナビ/プロリア対応開始/⑥ 質問セット凍結(質問11を追加登録) |
| 第2週 | 8/9〜8/15 | ③ 公式サイト: 対象年齢・料金・コース別ページ・FAQ・後援イベント開催報告記事を制作・公開 |
| 第3週 | 8/16〜8/22 | ④ PR TIMESリリース配信+比較・ガイド記事公開(note/ブログ)/⑤ YouTube1本目公開 |
| 第4週 | 8/23〜8/31 | 残タスク完了 → ⑥ 同一質問セットで定点再計測(3AI×3回×11問 = 99セッション)→ 施策前後の比較レポート |
| 9月以降 | — | 月次の定点観測を継続(効果は数ヶ月単位で測る)。四半期でコンテンツの鮮度更新 |
AIの引用は確率的で、「やれば必ず1位」の保証はどこにもありません。やることは「引用される確率を上げるレバーに投資し、確率の変化を定点観測すること」です。また、AIの学習データ更新には時間差があるため、8月末の再計測で全てが動くわけではなく、効果の一部は数ヶ月遅れて現れます。
対象AI: ChatGPT(無料版・標準モデル)/Gemini(Gemini 3.6 Flash・無料版)/Claude(Claude Sonnet 5・無料版)。すべて新規チャットで実施し、同じ質問を各AIに3回ずつ、質問10問 × 3AI × 3試行 = 累積90セッション(期間: 2026年7月24日〜7月29日)。計測データの出典はすべて自社計測(2026年7月24日〜29日・90セッション)です。
ご留意ください: AI検索の仕様変更により、本資料の数値は変動しえます。だからこそ月次の定点観測(施策⑥)をセットにしています。